消費税に関してまとめ(5)~なぜ止めないのか?

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◇自民・森山裕幹事長「何としても消費税守り抜く」と講演で強調 参院選で野党に対抗(産経新聞:2025/6/29)
https://www.sankei.com/article/20250629-JRDHIGQANNIXBEHQZOBYDJF6I4/?outputType=theme_election2025&fbclid=IwY2xjawL9MZ9leHRuA2FlbQIxMQABHkbTq2_wr6rGeVB4ycAIh4thA_fOB2r7H0yRKzwCD_dKovgaQO6SMxZVgBY6_aem_ak7EmT5lN0POmjpSk_6yFg

消費税を何故止めないのかというと上級国民には美味しいからでしょう。

(5)消費税の美味しさ:

①税収が安定強化される:

・2000年2月に石原都知事が「大手金融機関に5年間に限って、外形標準課税(事業税の一種として)を導入する」と突然宣言したことがあります。バブル崩壊後、不良債権を抱えていた銀行は、十分な利益を上げていたにもかかわらず、不良債権処理という名目で、ほとんど納税をしていなかった。石原都知事は「それはズルい。銀行は行政サービスを受けていながら、行政サービスのコストを負担していない」ということで課税しました。消費税はこれに似ています。
・後で出てきますが、法人税は「利益」に課税するので、中小企業がよくやるように実質黒字でもなんだかんだコストをのせて赤字に操作されれば徴収できないが、「消費」税は付加価値に課税するので、そのような小細工をする企業からも徴収できる効果があります。これが「第二法人税」と陰で囁かれる理由であって、こんなことがバレたら反発が大きいので「消費税」と誤魔化しているんでしょう。「カジノ建設」と言えば反発されるから「万博建設」と言っているのと似てます(^^;)
・税収は財務省の富と権力の源泉ですから。

②輸出企業には還付金がある:

・輸出をしている企業は「還付金」が貰えます。トランプ政権が「ずるい」と言っているやつです。例えば、2022年度のトヨタ自動車の例を見つけたのでご紹介します。

◇全国商工新聞(2023/11/27)
https://www.zenshoren.or.jp/2023/11/27/post-29301

簡単に言うと、下記の計算で5,300億円がトヨタ自動車に還付されたことになります。
輸出売上:106,000億円 ⇒消費税:   0億円
国内売上: 35,000億円 ⇒消費税: 3,500億円
課税経費: 88,000億円 ⇒消費税:▲8,800億円
合計:               ▲5,300 億円<還付>

ちなみに、このサイトでは還付金上位20社の合計が1.9兆円になってます。還付金は貰えるわ、法人税は下がるわでは、大企業中心の経団連が消費税を上げたがるのはよくわかる。2022年の消費税収入は23兆円だそうですから、かなりの割合が実質経団連企業に配られていることになります。

全国商工新聞(2023/11/27)より

③ 正社員を減らすと儲かる。

社内人件費(正社員)を上げると消費税もあがる。逆に正社員を非正規社員にすると消費税が下がる効果がある。例えば、ちょっと荒っぽい計算ですが、

【企業A】
課税売上  :1,000万円(=受取消費税 100万円)
課税仕入  : 500万円(=支払消費税 50万円)
社内人件費 : 300万円
利益    : 200万円
→企業Aは受取消費税と支払消費税の差額の50万円(=100-50)を納付する。

【企業B】全員を派遣(=非正規)に変えると人件費は課税仕入れに変わる。即ち、
課税売上:1,000万円(=受取消費税 100万円)
課税仕入: 500万円(=支払消費税 50万円)
課税仕入: 300万円(=支払消費税 30万円)※
利益  : 200万円
→企業Bは20万円納付すれば済む。(=100-50-30)
税率を上げれば上げるほど、非正規化へのインセンティブが働く。

(※細かく言えばこの300万円は支払消費税込みなら、計算はもうちょっと複雑なので、その辺は端折ってますが、本質は変わらない。)

これにより非正規社員が増えたのと同様に、非婚化の主因とも思われる。消費税は少子化にも貢献している可能性がある。

結局は国民を圧迫し、少子化を促進し、消費を減らし、トランプを怒らせ、大企業を優遇し、税収(一般会計・特別会計)を増やし、天下りを増やし、公務員とその取り巻き(=上級国民)のみが栄えるツールと言われればそうだろう。ウソと誤魔化しだらけである。

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