※「⇒」以下が、ミアシャイマー教授の解説。
1) 西側における酷い言論の自由への攻撃:・70歳のスイス軍退役情報将校である元戦略アナリストのジャック・ボードがEUから制裁を受けた。欧州連合公式ジャーナルは、ボード氏が「親ロシアのプロパガンダの代弁者として行動し、陰謀論を流していた」と説明していて、ボード氏はEU諸国内での渡航が認められず、ユーロ圏内の資産(銀行口座とクレジットカードなど)も凍結される。

・英国スターマー首相がロシア富豪アブラモヴィッチ氏に警告。チェルシー売却益を今すぐ拠出しなければ法的措置も検討と示唆。アブラモヴィッチ氏はロシアによるウクライナ侵攻の被害者のために使うと約束していたが、具体的な使途をめぐって対立し、現在までイギリスの銀行口座で凍結されている。

⇒欧州の政府のやり方はもはやOutrage(ギャングの所業)である。言論の自由は最早無い。発言が気に入らないと預金が封鎖される。背景は①ウクライナが負けている②アメリカが逃げた③EUには金がないということだろう。
・EUはロシアのEU内口座から金を盗ことは止める代わりに「借りる」ことにした。
⇒しかしロシアが負けない限りは「返済される」ことはなく、そんなことは起こらないので、EUの負債であり続ける。やってることは変わらない。
2) トランプ大統領は今回はグリーンランド(デンマーク領)を欲しがっている。資源が目的ではなく、安全保証確保が目的と言っている。
⇒トランプは国際法など眼中にない。デンマークが離すはずはない。そもそもどんな安全保障上の脅威があるのか?訳が分からない。
⇒ベネズエラに関しては背後にいるのはマルコ・ルビオ。ポイント石油。ベネズエラからキューバへの石油流入を防ぎたいのであろう。そして政権転覆を目論んでいる。グリーンランドに関してはトランプ自身(又はヘグセス)の関心事か。
⇒キューバ、ベネズエラに介入して、アメリカに何のメリットがあるのか?彼らはそれ程の脅威なのか?結果として、理由もなくキューバとベネズエラの民間人に大きな苦痛を与えることになってしまうのに。
3) 公海上でのアメリカの海賊行為を行なっている。
12月20日土曜日、アメリカはパナマ旗を掲げたタンカー「センチュリーズ」を阻止した。この動きは、ベネズエラ石油の主要な買い手である中国の怒りを買っている。中国外務省は12月22日、押収を国際法違反と呼び、中国とベネズエラ当局者はこれを「重大な国際海賊行為」に該当すると述べた。これは中国との紛争を引き起こす危険性がある。
4)トランプ外交はイスラエル・ファースト
・トランプは突然30人もの外交官の交替を指示した。トランプは1期目で米国国家安全保障体制内で外交政策の優先事項を推進する際に抵抗に遭遇した為、2期目の開始以来、忠誠派を上級職に据えようとしてきた。
⇒背景は国務省への批判。トランプは国務省のプロ外交官を信用してはいない。外交素人でもお仲間を信頼している。マルコ・ルビオもトランプは二流扱いをしている。アメリカの外交方針はアメリカファーストではなく、トランプファースト。ひょっとしたらイスラエル・ファースト。
⇒イスラエル優先派のマーク・レビンはトランプ主宰のハヌカパーティで壇上に呼ばれ「トランプが我々初のユダヤ人大統領だ」という主張したが、その時のトランプは浮かない顔をしていたように見える。
⇒エプスタインの件はトランプの外交方針に影響を与えるようには思えない。エプスタインが政治家たちを恐喝していたという証拠はない。彼のイスラエルとのコネクションに関しては多くの証拠が上がっている。ただそれらにトランプが関わっているという感じはしない。
6) 共和党は完全に分断されている。
⇒共和党内のイスラエルに対する敵意が高まり、イスラエル疲れが蔓延している。マルコ・ルビオやバンスなど次を狙う連中はどちらに与するか悩ましい所。
7) 12/29にネタニヤフ首相がホワイトハウスに来る
⇒政権が始まって以来6回目のトランプ氏との会談であり、これは大統領にイランを再び攻撃する時が来たと説得することだろう。しかしトランプはそんな話は聞きたくないはずだ。彼は6/22のイランへの攻撃で核施設は破壊しまくり、イラン攻撃は終わったことになっているから。しかしイスラエルは「Never Ending Story」だ。

